KY:場の空気が読めないこと。ある環境における前提が理解できない人。
地頭:ロジカルシンキングを筆頭とした外資系横文字群

という認識の基に。

この二つの言葉が同時期に流行だしたのはコミュニケーションにおいて両者が両極に存在するからだと思います。

曖昧な言語表現が得意な日本人にとってKYとはコミュニケーション能力の欠如を指しています。極端な話だと、それが例えその集団の偏見によって形成された常識であってもそれが理解できない=KYの烙印が押されるわけです。

大してロジカルシンキングとは徹底的に水面下の事象を抽出することによる、いわば知的KY作業と言えます。

日本の競争力低下云々の話は毎度のごとくテレビで見ることが出来ますが、その根底にあるのはやはりこの二つの対立からではないでしょうか。言外の思考を積み重ねてしまうことで、当初は当然の認識であったことが霧の中へと消え、気づけば本題すら消えうせてしまいます。

それを解消するのがロジカルシンキングなどのビジネススキルだと言うのが昨今の地頭ブームの根っこだと感じています。

KYという言葉の良し悪しは置いておくとしても、僕個人としては日本独特の曖昧表現は大事なものだと思います。全部が全部白日に晒されるというのは何だかデリカシーが無い。言わなくても通じ合うことはやはり大事であると同時に一つのモラルです。とは言え、それをビジネスの場まで持ってきてしまうのはやはり別問題で、要はバランス感覚でしょうね、というところでレビューです。


論理的思考と交渉のスキル (光文社新書)論理的思考と交渉のスキル (光文社新書)
(2003/01)
高杉 尚孝

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本書はロジカルシンキングを応用することで交渉を有利に進めようというものです。根底にあるのは、交渉とは相手に自分の考える行動を取ってもらうこと、win-winであること、この二点です。一方的な交渉で成功を勝ち取ったとしても、後々自社に不利になるということから双方の利害を認識しつつ交渉を図る重要性が随所に記されています。

ロジカルシンキングというと外資的なスキルという印象があって、それはつまり利益最優先な薄情を想起させる言葉だったんですが、本書を読む限りはどんな交渉相手は決して陥れる相手ではなく、ともに勝ち上がっていくパートナーとして見るべきだという扱いでした。

ロジカルシンキングの基本的な考えから始まり、それを受けて交渉における基本的な考え方が書いてあります。最後に具体的な事例を交えての交渉術が書かれています。

「〜あり」「〜し」「〜おり」など日本人の曖昧表現の指摘や、怒りや不安、〜ねばならぬ思考など交渉における駄目な思考といったコミュニケーションの基礎的考えの部分は非常にわかりやすいです。

マイナス面をあげるとすれば、事例のあたりでした。学生の身としては当然ですが、イマイチピンとこなかったからです。その原因は具体的すぎるからか、簡素すぎるからかのどちらかだと思いますが、実例を持っていないのでわかりません。

一応論理的思考について書かれた本は3冊ほど読んでいたのもあってスムーズに読むことができました。ロジックツリーやMECEについてはほんとに初歩的なことしか書かれていないので、ロジカルシンキングそのものについて知りたいのであればお勧めできませんが、入門書の次に知識の確認も兼ねて読んだり、交渉事について学びたい人には良い本だと思います。


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